三味線の材料について


三味線は日本固有の楽器でありながら実のところ、その材料のほとんどは残念ながら海外製というか日本で用意できないものばかりであります。

そのひとつに三味線の価格を決定する中心要素である棹には「紅木(こうき)」(英名:Red Sander Wood)(学術名?:Pterocarpus santalinus)と呼ばれるものが使われていて、これはインドで採れるものです。

このインド産の紅木が日本の三味線に使われるようになる前は浮力のために船底に置いて重石として使われていたらしいです。それを日本の三味線業界が目を付け普及させていったようです。

その後、どういう流れかはわかりませんが、紅木はワシントン条約にも含まれてしまって、インド政府管轄になってしまって、今では日本には入ってこなくなってしまいました(入札制度なので今では多くが中国に流れてしまっているようです)。

この紅木はインド中南部のある地域でしか採取されず、山中には虎もいるらしい...

なので同じ種を安全な他の地域で育てたこともあるらしいのですが花梨っぽい木目になってしまったそうで、やはりその地域の天候などがあの「紅木」を作り出しているようです。


でもって、棹に削る前は丸太から上記の画像ような状態で粗削りして保管してあります。この状態を私たちの業界専門用語で「荒木(あらき)」と呼んでいます。

高級かつ高品質な三味線を製作する場合は「荒木」の状態からお選びいただくことも多いですね。

そして当店も実は「荒木」をけっこう持っています。荒木を選んでいただいてから三味線を製作するってなかなかの醍醐味があるので非常におススメです。

今回の荒木に合わせた天神の材料、そして綾杉胴はこちらに決定です。

出来上がりを忘れなければ後日アップします!!

おまけ

紅木の種と葉っぱ


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