棹にホゾ金を入れる!
三味線の棹は通常3つに分割できます(三つ折り)が、その分割した際の突き出た箇所を「ホゾ」などと呼んだりします。その「ホゾ」を受ける側の穴に「金属」を埋め込んである三味線は「金細(きんぼそ)」「金ホゾ(きんほぞ)」「金棹(きんざお)」と呼ばれ、これらが施してある三味線は概して高級なものとなります。
1970年ころの民謡ブームには三味線が飛ぶように売れ、そのころ製作された三味線の中には棹は「金ホゾ」なんだけど胴は「丸打ち胴※綾杉胴ではないタイプ」って特殊なものもありますが、今では通常「金ホゾ」であれば胴は必然的に「綾杉胴」となります。
そして、購入当時の予算上「金棹」にまで手が届かず「綾杉胴」の三味線を購入された方には、ステップアップのために高級な「金棹」を新たに購入することをお勧めしたいところですが、この「綾杉胴」の三味線に愛着があって...という理由などがある場合は金ホゾ加工をお勧めします!
金ホゾのメリットその1「耐久性向上!」
今は三味線を三つ折りにして持ち歩きする人も減りましたが、宅急便などで送る場合は断然安全ですし、この三つ折りにした際の摩耗というか消耗具合が「金ホゾ化」すると耐久性が大変向上します。三つ折りにする、そして組み立てるという繰り返しはホゾ近辺を大変摩耗消耗させますのでホゾのガタつきなどが生じやすくなります。それをこの「金ホゾ化」によって極力防ぐことができるようになります。
金ホゾのメリットその2「耐衝撃性向上!!」
三味線というのはなかなか重い楽器です。重いのでちょっとした衝撃が倍増してしまいます。なので糸巻きをちょっとぶつけただけで棹に衝撃がいきわたり、ホゾ近辺にヒビや割れが入ってしまうのです。私たちでも見落とすことがあるくらいなのですが、修理や皮張りでお預かりした三味線の棹にヒビが入っていたということはしょっちゅうあります。でも「金ホゾ」ですとそこの箇所は間違いなくショックに強くなっていますのでホゾにヒビなど入りにくくなります。
金ホゾのメリットその3「音色が良くなる!!!」
三味線の音色のベースは「棹」によって決まります。「棹」が良くないとどんなに良い「胴皮」を張っても良い音色は出ません。良い「棹」の目安の一つは「硬さ」で、その理由は伝導効率が良いので音色が良くなるというものであります。そして「金ホゾ化」するというのは棹の伝導効率をグレードアップすることになり、つまり音色が良くなるのです!!
金細って18金?
「金細(きんぼそ)」って言葉もあるせいか材質は18金だと思っていらっしゃる方もいるかもしれませんが実際は「銀」です。中身は銀で私たちの目に触れる部分には薄く9Kを貼り付けてあります。もし他所で9Kとか18Kって謳っていたら疑ったほうがいいですね、怪しいです...
料金
- 加工賃:税込10万円
- 納期:約2週間
- 内容:ホゾ金仕込み(材料費込)、目違い払い、仮継調整
- オプション:「かんべり修理」「端調整」「皮張り」※これらを一緒にやると料金は倍増しますが音色は劇的に生まれ変わる可能性あり!!
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